あんびるやすこだより
読者のみなさんへ…2020年4月

お元気ですか?
おもいがけず、長い長い春休みが、とつぜんにやってきました。
今こうしている間も、世界中が、あたらしい病気とたたかっています。

みなさんもきっと、がまんしなければならないこと、残念に思うこと、がっかりすること、そんなことがいくつもあったと思います。
そして、もうすっかり「たいくつ」しているのではないかしら?
そんなみなさんへ、わたしが「たいくつ」だった頃のお話をしようと、この手紙をかくことにしました。

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小学生の頃、わたしはたいてい「たいくつ」していました。
今のように、インターネットも携帯電話もありませんでしたから、動画を見て楽しむことも、お友だちとメールをやりとりすることもありません。

そんなときは、時間がたつのがとても遅く感じるものですよね。
そういうときに、わたしは「想像する」ことにしていました。
例えば、「ステキな家で、おしゃべりする動物といっしょにくらしている」ことを想像したり、「夢にえがいた通りの仕事をする、ステキな大人になった自分」を想像したり、「自分の部屋をかんぺきなこども部屋にするとしたら」って想像したり・・・。
時には、それを絵にかいてみたりして過ごしていると、時間はいつのまにかたっています。

そんなの変? いえいえ。バレリーナが身体を柔らかくするストレッチを毎日するのと同じように、心も「想像する」ことでストレッチできるのです。
わたしが今、色々なお話を作り出すことができるのも、「たいくつ」な時間を、想像してすごしたから。心のストレッチをつづけてきたからかもしれません。

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心のストレッチには、もちろん、本を読むのもおすすめです。
わたしは今、みなさんを思いうかべながら、次の本を書いています。
どんな病気も、わたしと読者の皆さんが本の中で出会うのをじゃますることはできませんから。

この長い春休みが、一日も早く終わりますように。
みなさんの元気なお顔を、またサイン会や講演会で見られる日を、楽しみにしています。
それまでいっしょにがんばりましょう。

                    2020年4月12日 あんびるやすこ